「そろそろやめさせないと歯並びが心配」「おしゃぶりを取り上げたら、今度は指をしゃぶるようになってしまった」。そんな悩みを抱えていませんか。
指はいつでもそこにあるので、おしゃぶりよりもやめさせるのが難しいと感じているママは少なくありません。3歳を過ぎても指しゃぶりが続いていると、「このままでいいのだろうか」「私の関わり方が悪いのかもしれない」と、じわじわ不安が募ってきますよね。私自身も、上の子が寝る前に指をしゃぶる姿を見るたびに、無理にやめさせるべきか、そっとしておくべきか、ずっと迷っていました。
- 子どもが指しゃぶりをする本当の理由
- 歯並びへの影響が出るのは「いつから」なのか
- おしゃぶりと指しゃぶり、やめやすいのはどちらか
- 無理にやめさせようとするとうまくいかない理由
- 焦らず自然に卒業へ向かうための関わり方
なぜ子どもは指をしゃぶるの?
指しゃぶりは、赤ちゃんがお腹の中にいる頃からすでに始まっている、とても自然な行動です。生まれたばかりの頃は、口に触れたものを吸う「吸啜反射」によるものですが、月齢が進むにつれて役割が変わっていきます。
寝かしつけの最中や、初めての場所で緊張しているときに指しゃぶりが増えるのは、決して珍しいことではありません。むしろ、自分で気持ちを落ち着ける力が育っているサインとも言えます。自分の気持ちを扱えるようになる過程という点では、子どもの癇癪(かんしゃく)はなぜ起きる?年齢別の原因と今日から使える対処法で紹介している感情の育ちとも地続きです。
歯並びへの影響が出るのは「いつから」なのか
指しゃぶりで一番気になるのは、やはり歯並びへの影響ではないでしょうか。ここは感覚ではなく、目安を知っておくと安心材料になります。
歯並びへの影響を考えるときの目安
- 乳歯が生えそろう前(2歳頃まで)の指しゃぶりは、過度に心配しなくてよいとされている
- 3〜4歳頃までに自然と減っていくケースが多い
- 影響が出やすいのは、指しゃぶりが「毎日長時間・強い力で」続く場合
- 永久歯に生え変わる時期(5〜6歳以降)まで頻繁に続く場合は、出っ歯や開咬(前歯がかみ合わない状態)につながることがある
つまり、2〜3歳の指しゃぶりだけを見て慌てる必要はありません。歯科医院でも「3〜4歳頃までの卒業が理想」とされることが多く、逆に言えばそこまでは経過を見守っても大丈夫な期間だということです。心配であれば、次の歯科健診のときに指の当たり方や歯の状態を相談してみると、具体的な安心材料が得られます。
おしゃぶりと指、どちらがやめやすい?
「指しゃぶりよりおしゃぶりの方が体に良さそう」と、おしゃぶりに切り替えようか迷う人もいますが、卒業のしやすさという点では単純にどちらが良いとは言い切れません。
| 項目 | 指しゃぶり | おしゃぶり |
|---|---|---|
| いつでも使えるか | いつでもどこでも使える | 手元にないと使えない |
| 取り上げやすさ | 体の一部なので取り上げられない | 物理的に隠す・処分できる |
| やめるタイミングの作りやすさ | 本人の意思に委ねる部分が大きい | 「卒業式」など区切りを作りやすい |
| 周囲の目 | 幼児期以降は目立ちやすい | 年齢によっては目立ちにくい |
指はいつでもどこにでもあるからこそ、「今日は使わない」という区切りを作りにくく、結果的にやめる決断が本人任せになりやすい面があります。一方でおしゃぶりは物理的に手元からなくすことができるため、卒業のタイミングを親がある程度コントロールしやすいという違いがあります。どちらが優れているというより、「やめさせ方の工夫のしやすさが違う」と捉えておくと、これから紹介する関わり方も理解しやすくなります。
無理にやめさせようとするとうまくいかない理由
指しゃぶりをやめさせようと、絆創膏を貼ったり、きつく叱ったりした経験がある人もいるかもしれません。ですが、無理にやめさせる方法は、かえって長引かせてしまうことがあります。
指しゃぶりを頭ごなしに叱ると、子どもにとって「安心を得る手段」を奪われることになり、不安が強まってかえって指しゃぶりが増えてしまうことがあります。焦って強く止めさせようとするほど、逆効果になりやすい行動のひとつです。
指しゃぶりには、眠気や不安を和らげるという心理的な役割があります。その役割を無視して「やめなさい」とだけ伝えても、子どもからすれば安心を得る手段を取り上げられただけで、代わりの安心を用意してもらえていない状態になってしまいます。だからこそ、「やめさせる」というより「必要としなくなる状況を作る」という発想に切り替えることが、遠回りに見えて一番の近道になります。本人のペースが結果を左右するという意味では、トイレトレーニングの進め方|2〜3歳の壁を乗り越えるコツとも共通する考え方です。
焦らず卒業に向かうための関わり方
ここからは、無理に取り上げるのではなく、子どもが自分から指しゃぶりを卒業していけるような関わり方を、段階を追って紹介します。
STEP1 叱らずに、まず様子を観察する
どんな場面で指しゃぶりが増えるか(眠いとき・退屈なとき・不安なとき)を観察してみます。原因が見えると、指以外の方法で気持ちを満たす工夫がしやすくなります。
STEP2 手をふさぐ代わりの安心を用意する
眠いときはぬいぐるみやタオルを抱っこする、退屈なときは手を使う遊びを一緒にするなど、指の代わりに安心できるものを近くに置いておきます。
STEP3 「やめられた時間」をそのまま認める
「やめられたね」より「今日は公園でたくさん手を使って遊べたね」のように、指しゃぶり以外の行動を具体的に認めてあげると、本人の自信につながります。
STEP4 年齢が上がったら、本人と一緒に目標を決める
3歳を過ぎて会話ができるようになってきたら、「幼稚園に入るまでに卒業してみる?」など、本人が納得できる目標を一緒に決めると、自分の意思で取り組みやすくなります。
絵本を使って、指しゃぶりについて子どもと一緒に考える時間を作るのもおすすめです。「なぜ指をしゃぶりたくなるのか」「卒業するとどんないいことがあるのか」を物語として伝えると、頭ごなしに言われるより素直に受け止めやすくなります。絵本の選び方を参考に、卒業をテーマにした一冊を探してみるのも一つの方法です。
歯並びが気になってきた場合は、日々の歯磨き習慣を整えることも合わせて意識しておきたいポイントです。仕上げ磨きのコツも参考にしてみてください。
どうしても指への意識づけがほしい場合、苦味のあるコーティング剤(いわゆる指しゃぶり防止マニキュア)を併用する家庭もあります。ただしこれも「気づかせるきっかけ」であって、これだけで無理やりやめさせる道具ではありません。本人が「やめてみようかな」と思えるタイミングと合わせて使うと効果を感じやすいようです。
よくある質問
指しゃぶりで爪や指が荒れています。どうしたらいい?
吸う力が強いと、親指の皮がむけたり赤くなったりすることがあります。保湿クリームでこまめにケアしながら、STEP2で紹介したような「代わりの安心」を用意して、吸う頻度そのものを少しずつ減らしていく方法が現実的です。皮膚の炎症がひどい場合は、小児科や皮膚科に相談すると安心です。
幼稚園や保育園に行っても指しゃぶりが続いていて心配です
集団生活の中で自然と減っていく子も多くいます。園の先生に普段の様子を聞いてみると、家庭とは違う場面での様子がわかり、対応のヒントになることがあります。無理にやめさせるより、家庭でも園でも「安心できる関わり」を続けることを優先しましょう。
何歳になっても指しゃぶりがやめられない場合、発達に関係がありますか?
指しゃぶり自体が発達の遅れを示すものではありません。ただし、5〜6歳を過ぎても非常に頻度が高く続く場合や、他に気になる様子が重なる場合は、自己判断せず小児科や歯科で相談してみると、必要な対応が見えてきます。
まとめ
指しゃぶりは、赤ちゃんの頃から続く自然な行動であり、2〜3歳の時点で慌てて無理にやめさせる必要はありません。歯並びへの影響が心配になるのは、永久歯に生え変わる時期まで強い指しゃぶりが続く場合です。それまでは、原因を観察し、代わりの安心を用意しながら、本人が自分から卒業していけるように寄り添うことが、遠回りのようで一番の近道になります。
絵本や指しゃぶり防止アイテムは、あくまで卒業のきっかけを後押しする道具です。焦らず、子どものペースに合わせて向き合っていきましょう。
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