朝、泣きじゃくる子どもを保育園の先生に手渡して、うしろ髪を引かれながら扉を閉める。その足で家に戻っても、洗濯物と復帰の準備が待っている。慣らし保育が始まったばかりのころは、そんな朝が毎日くり返されますよね。
「このまま職場に戻って、本当にやっていけるのかな」。そう感じているのは、あなただけではありません。育休からの復帰前は多くの人が不安を抱えるという調査もあり、モヤモヤを感じるのは自然な反応なのです。
この記事でわかること
- 慣らし保育がつらいと感じる理由と1〜2週間の流れ
- 復帰後にやってくる「保育園の洗礼」への心構え
- ワンオペで乗り切るための家庭の備え
- 復帰前の不安との向き合い方
慣らし保育がつらいのは、あなたが弱いからではありません
慣らし保育のつらさは、子どもの泣き声と自分の罪悪感が重なることから生まれます。心が弱いのではなく、離れる練習を親子でいっしょにしている最中だから、しんどく感じて当然なのです。
初日に預けたわが子が、部屋の入口で泣き崩れる。その顔が頭から離れず、迎えの時間まで気持ちが晴れない。多くの家庭が最初の3日ほどで、この「置いてきた感覚」に胸を締めつけられます。
私自身も第一子のとき、初日に泣かれたのがショックで、帰り道の車の中で一人で泣いてしまいました。でも1週間後には、先生に抱っこされながらこちらに手を振る余裕が子どもに生まれていて、慣れるのは子どものほうが早いのだと気づかされました。
慣らし保育は1〜2週間、少しずつ時間をのばしていく
園によって進め方は違いますが、多くは短時間からのスタートです。全体像を知っておくと、「今どのあたりにいるのか」が見えて、気持ちが少し落ち着きますよ。
STEP1 2時間の滞在に慣れる
1〜2日目は9時から11時ごろまで。遊びの時間だけを園で過ごし、給食の前に迎えにいきます。
STEP2 給食まで過ごす
3〜5日目は給食を食べて帰る流れに。食べられる量には波があるので、少なくても心配しすぎなくて平気です。
STEP3 お昼寝まで挑戦する
6〜8日目はお昼寝までトライ。家と違う場所で眠れるかが、慣らし保育の大きな山場になります。
STEP4 夕方までフルで過ごす
2週目に入ると、おやつを食べて夕方まで過ごす日課へ。ここまで来ると復帰後の生活にぐっと近づきます。
進みが遅くても、焦らなくて平気です。体調を崩して数日休むと、そのぶん後ろにずれることもよくある話。園の先生と相談しながら、その子のペースで進めていきましょう。
復帰後にやってくる「保育園の洗礼」に心の準備を
「慣らし保育を乗り切れば安心」と思い込むと、復帰直後の発熱ラッシュで気持ちが折れてしまいます。むしろ本番は復帰後だと構えておくほうが、心が守れます。
集団生活が始まると、子どもは次々と風邪をもらってきます。復帰1週目の水曜、38度の熱で保育園から電話が来て、会議を抜けて迎えにいく。そんな日が月に何度も起きるのが、いわゆる保育園の洗礼です。
私も復帰した最初の1か月で、子どもが3回発熱しました。「また休むなんて言い出しにくい」と職場に申し訳なさがつのり、解熱後すぐ登園させて、ぶり返させた失敗もあります。今思えば、あの1日の無理は逆効果でした。
洗礼の時期に備えておきたいこと
- かかりつけの小児科を1つ決めておく
- 病児保育やファミサポを事前に登録する
- 解熱後24時間は登園を控える前提で予定を組む
- 職場に休む可能性を早めに共有しておく
体調を崩すのは、免疫がついていく通り道でもあります。半年ほどたつと発熱の回数が減っていく子が多いので、いまが一番の山だと思って乗り切っていきましょう。
ワンオペで乗り切るために、家事は「やらない」を決める
仕事から帰って、夕飯、お風呂、寝かしつけを一人でこなす。この夕方から夜21時までの2〜3時間が、ワンオペで最もしんどい時間帯ですよね。ここを回すには、完璧を手放す割り切りが欠かせません。
たとえば平日の夕飯は品数を2品までと決める。洗濯はまとめて2日に1回にする。床拭きは週末だけにする。こうして手放す家事を先に決めておくと、迷う時間が消えて動きが軽くなります。具体的な工夫はワンオペ育児の家事時短術にもまとめています。
復帰直後から「今までどおり家事も完璧に」と気負うと、2週間ほどで息切れします。最初の1か月は生活を回すことだけを目標にすると、気持ちがぐっと楽になりますよ。
全部を一人で抱えなくて大丈夫です。頼れる家電やサービスに仕事の一部を渡すことも、立派な工夫のひとつ。手を抜くのではなく、力を入れる場所を選び直すだけなのです。
復帰前の不安は、書き出して小さく分けると軽くなる
不安が大きく感じるのは、正体がぼんやりしているときほど強くなります。頭の中でぐるぐる回っている心配ごとを、まず全部書き出してみましょう。
書き出して整理したい不安の例
- 発熱時のお迎えは誰が対応できるか
- 朝の準備を何時から始めれば間に合うか
- 夕飯を何で乗り切るか
- 職場に事情をどこまで伝えておくか
書き出してみると、「これはもう解決済み」「これは夫と相談すればいい」と仕分けができます。私は復帰の10日前にこの作業をして、10個あった不安のうち7個はすでに手が打ててあると気づき、肩の力が抜けました。
残った不安は、一人で抱え込まずに園や職場に相談していきましょう。伝えておくだけで、いざというときの動きが変わります。
よくある質問
慣らし保育で子どもが毎日泣きます。いつまで続きますか?
個人差はありますが、多くの子は1〜2週間ほどで園の生活に慣れていきます。泣くのは不安の表現であり、悪いことではありません。先生に園での様子を聞くと、迎えのあとは落ち着いて遊べている子が多く、安心できるはずです。
職場復帰後、子どもが体調を崩してばかりで仕事を休みがちです。どうすれば?
集団生活の最初の半年は、体調を崩しやすい時期です。病児保育やファミリーサポートを事前に登録しておくと、いざというときに選択肢が増えます。解熱後すぐの無理な登園はぶり返しのもとなので、24時間ようすを見る前提で予定を組むと安心です。
不安で復帰の実感がわきません。準備しておくべきことは?
まずは朝の動線と夕方の段取りを、時間つきで一度シミュレーションしておくと安心です。何時に起きて、何時に家を出るか。それだけで生活のイメージがつかめます。あとは頼れる人やサービスをリスト化しておくと、心の支えになりますよ。
まとめ 全部を完璧にしなくていい
慣らし保育のつらさも、復帰前の不安も、あなたが真剣に子どもと向き合っている証拠です。1〜2週間の慣らし期間、復帰後の洗礼、ワンオペの夜。どれも「今が一番の山」で、時間とともに必ず落ち着いていきます。
家事や心配ごとを一つずつ手放して、頼れるものに仕事を渡していく。そんな小さな工夫の積み重ねが、毎日を回す力になります。ここでは、そっと支えになってくれる選択肢を2つ紹介します。
夕飯づくりの負担を減らしたいときは、下ごしらえ済みのミールキットが心強い味方になります。包丁とまな板を出す回数が減るだけで、夕方の気持ちが軽くなりますよ。
洗濯物をたたみながら、寝かしつけの寝落ち待ちの時間に。耳で聴く読書なら、手が塞がっていても物語や情報にふれられます。ワンオペの隙間時間と相性がよく、気分転換にもなります。
慣らし保育も職場復帰も、親子でゆっくり慣れていくもの。全部やらなくて大丈夫です。今日できたことを一つ数えて、自分をねぎらう夜にしてくださいね。