23時にやっと寝かしつけが終わって、布団に入ったのが23時半。2時すぎに泣き声で目が覚めて、暗いキッチンでお湯を沸かして、哺乳瓶を流水に当てて振って、手首の内側に垂らして温度を確かめる。やっと飲ませられたころには3時。そしてまた5時に泣き声。
抱っこしながら片手で調乳している間も、腕の中では泣き声がどんどん大きくなっていきますよね。作り終えたころにはすやすや眠っていて、力が抜けたことも何度もあります。
夜中のミルクがつらいのは、あなたの手際が悪いからではありません。調乳という作業そのものに、どうしても待ち時間が組み込まれているからです。
この記事でわかること
- 夜中の調乳で一番時間を食っている工程
- 湯冷ましを使った作り置きのやり方
- 時間を削れる道具と、選ぶときの基準
- 安全に時短するための温度のルール
- ミルク作りが楽になる時期の目安
減らすべきは「冷ます時間」です
夜中の調乳を短くしたいなら、削るのは冷ます時間です。粉を計る時間でも、洗う時間でもありません。
70度以上のお湯で粉を溶かしたあと、飲める40度前後まで下げる工程が全体の7〜8割を占めます。流水で冷やすと2〜4分、水を張ったボウルなら5分以上かかることもあります。ここが短くなるだけで、泣き声を聞いている時間が一気に減ります。
沸かす・溶かす・冷ますの3つのうち、夜中にやるのは「溶かす」だけにする。この発想に切り替えると、夜の負担はかなり変わります。
夜中の調乳がしんどい3つの理由
つらさの正体は、時間の長さだけではありません。夜特有の条件が3つ重なっています。
1つ目は、泣き声を聞きながらの作業だということ。日中なら3分は何でもない長さですが、泣いている赤ちゃんの声を背中で聞きながらの3分は、体感では倍以上に長く感じます。焦って湯の量を間違えて、やり直しになったこともあります。
2つ目は、暗さと眠気で手元が定まらないこと。豆電球の下でスプーンのすり切りを合わせるのは、思っている以上に神経を使います。
3つ目は、一度しっかり目が覚めてしまうこと。キッチンの明かりをつけて立ち歩いた時点で、体は完全に起きてしまいます。授乳後にもう一度寝つけず、そのまま朝を迎える日もありますよね。
夜の負担を分解すると
- キッチンまで歩く(動線)
- お湯を沸かす・沸くまで待つ
- 粉を計って溶かす
- 飲める温度まで冷ます
このうち歩く・沸かす・冷ますの3つは、夜が来る前に片づけられます。夜中に残すのは「粉を溶かす」だけで大丈夫です。
今夜からできる湯冷ましの作り置き
寝る前の5分を使うだけで、夜中の調乳は劇的に短くなります。特別な道具はいりません。
STEP1 寝る前に湯冷ましを作る
水道水を沸騰させてから10分ほど沸かし続け、消毒済みの哺乳瓶や密閉容器に移して冷まします。これが湯冷ましです。夕食の片づけのついでに沸かしておけば、それだけで済みます。
STEP2 粉だけ先にセットする
哺乳瓶に1回分の粉を計って入れ、乳首を伏せた状態でフタをして枕元に置きます。暗い中でスプーンを使わずに済むだけで、失敗がぐっと減ります。
STEP3 夜中は熱湯と湯冷ましを注ぐだけ
できあがり量の半分ほどまで70度以上のお湯を入れて粉を溶かし、残りを湯冷ましで満たします。振って混ぜたら、手首の内側で温度を確かめてすぐ飲ませられます。
湯冷ましは常温で置いておくと衛生面が心配なので、作ってから24時間以内に使い切るのが目安です。冷蔵庫に入れる場合は、割る量を少なめにして温度を調整してください。
私自身、下の子が生まれてから1か月ほどは毎回キッチンで冷ましていました。この作り置きに変えてから、夜中に廊下を歩く回数そのものが減って、体が起きてしまう感覚が薄くなりました。新生児の昼夜逆転が続いている時期ほど、この差は大きく効いてきます。
道具で削れる時間を知っておく
道具を足すなら、優先順位は「沸かす時間を消す」「動線を短くする」の順です。全部そろえる必要はありません。
| 道具 | 削れる時間 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 温度調節つき電気ケトル | 沸かす時間(3〜5分) | キッチンが寝室から近い |
| ウォーターサーバー | 沸かす+冷ます(5〜8分) | 夜間の授乳回数が多い |
| 液体ミルク | 調乳工程すべて | 外出・災害時・体調不良の日 |
| キューブ・スティック粉ミルク | 計る時間と失敗 | 暗い中での調乳が多い |
温度調節つき電気ケトル
70度前後の保温ができるタイプなら、夜中に沸かす工程がまるごと消えます。1リットル前後の小型なら寝室に置けるので、キッチンまで歩かずに済むのも助かります。保温状態を朝まで維持できるか、消費電力はどのくらいかを商品ページで確認しておくと安心です。
ウォーターサーバー
1台で熱水と冷水の両方が出るので、粉を溶かしてから冷水で割るまでが完結します。湯冷ましを作る手間もなくなり、夜間の授乳が3回以上ある時期には効きます。月額がかかる分、選ぶときは「70度以上の熱水が出るか」「サーバー内部が定期的に自動洗浄されるか」「子どもが触れないチャイルドロックがあるか」の3点を必ず見てください。多くのメーカーが無料お試しや初月無料の期間を用意しているので、まず1か月だけ置いてみて判断するのが現実的です。
液体ミルク
常温のまま哺乳瓶に移すだけで飲ませられます。専用アタッチメントを使えば、紙パックや缶に直接つけて飲ませることもできます。値段は粉ミルクより高めなので、毎回は現実的ではありません。夜の最初の1回だけ、あるいは自分の体調が悪い日の保険として何本か常備しておく使い方が続けやすいと思います。
キューブ・スティックタイプの粉ミルク
1個40mL分などに固められているので、暗い中でも数を数えるだけで済みます。缶入りより単価は上がりますが、夜間分だけキューブにする使い分けなら負担は小さめです。こぼして計り直す失敗がなくなるだけでも、夜のストレスは減ります。
哺乳瓶そのものが合っていないと、どれだけ工程を削っても飲むのに時間がかかります。飲みが悪い日が続くなら哺乳瓶の乳首サイズも一度見直してみてください。
時短しても外せない温度のルール
早くしたい気持ちがあっても、ここだけは守ってください。粉ミルクは70度以上のお湯で溶かす必要があります。
粉ミルクは製造工程で完全に無菌にはできず、ごくまれに菌が残る可能性があります。70度以上のお湯で溶かすことで、その菌を殺菌できるとされています。ぬるま湯や湯冷ましだけで溶かすのは避けてください。
ウォーターサーバーの冷水や浄水器の水をそのまま使って粉を溶かすのは避けてください。冷水は「70度で溶かしたあとに割る」用途に使い、溶かす工程には必ず熱水を使います。作ったミルクは室温で放置せず、2時間以内に飲みきらなかった分は捨てるのが安心です。
飲ませる前の温度確認は、手首の内側に1〜2滴たらして「熱くも冷たくも感じない」くらいが目安です。急いでいても、この一手間だけは残しておきましょう。
よくある疑問
夜中のミルクはいつまで続きますか?
個人差は大きいものの、生後4〜6か月ごろから夜間の授乳回数が減り始める子が多いようです。離乳食が3回食になる9か月前後で、夜通し眠れる日が増えてきます。今つらい時期は、ずっとは続きません。
作り置きしたミルクを冷蔵庫に入れておいてもいいですか?
調乳済みのミルクは、衛生面から作り置きが推奨されていません。作り置きするのは湯冷ましまでにして、粉を溶かすのは飲ませる直前にしてください。
ミルクを作っている間に泣き止んでしまったら?
そのまま寝てくれたなら、無理に起こさなくて大丈夫です。作ったミルクは2時間を目安に、飲まなければ処分しましょう。もったいなく感じますが、キューブや液体ミルクを併用しておくと、こうした空振りのダメージも小さくなります。
夫に夜間のミルクを任せたいのですが?
粉を計って枕元にセットするところまで済ませておくと、任せるハードルが下がります。手順を口で説明するより、哺乳瓶と湯冷ましを並べて置いておくほうが伝わりやすいです。
まとめ
夜中の調乳がしんどいのは、冷ます時間が長いからです。寝る前に湯冷ましを作り、粉を哺乳瓶にセットしておくだけで、泣き声から授乳までが1分台に縮まります。
道具は全部そろえなくて大丈夫です。今のいちばんの負担が「沸かす時間」ならケトル、「冷ます時間」ならウォーターサーバー、「暗い中で計ること」ならキューブタイプ、と1つだけ選べば十分です。
今夜、寝る前にお湯を沸かして冷ましておく。まずはそれだけで、明日の夜が少し軽くなります。
この記事で紹介したもの