夜中の2時、隣で寝ていたはずの子どもが突然がばっと起き上がり、目を見開いたまま大声で泣き叫び出した。慌てて抱き上げて「大丈夫だよ、ママいるよ」と声をかけても、まるで聞こえていないかのように暴れて泣き続ける。数分後にはケロッと泣き止んで、また何事もなかったように眠ってしまう。翌朝聞いても、本人はまったく覚えていない――。
こんな経験をすると、「いつもの夜泣きと何かが違う」と感じて、不安になりますよね。実はそれ、夜泣きとは別の「夜驚症(やきょうしょう)」という現象かもしれません。私自身も、上の子が2歳半のころに同じような夜を何度か経験し、最初は何が起きているのか分からず本当に怖かったのを覚えています。
この記事でわかること
- 夜驚症と夜泣きの見分け方
- 夜驚症が起こる主な原因
- 発作が起きたときに家庭でできる対応
- 病院を受診したほうがよい目安
夜驚症とは何か
夜驚症は、眠りに入ってから数時間以内、深いノンレム睡眠の最中に脳の一部だけが不完全に覚醒してしまうことで起こる現象です。本人は眠ったままの状態に近く、意識がはっきりしているわけではありません。そのため、強く揺さぶったり名前を呼んだりしても反応が鈍く、まるで別人のように泣き叫んだり暴れたりすることがあります。
多くの場合、2〜6歳ごろの幼児期に見られ、成長とともに自然におさまっていきます。本人に発作中の記憶がほとんど残らないのも特徴のひとつで、つらい思いをしているのはむしろ見ている親のほうだったりします。
夜驚症と夜泣きの違い
見た目だけでは判断がつきにくいので、まずは特徴を比べてみましょう。
| 比較項目 | 夜泣き | 夜驚症 |
|---|---|---|
| 起こりやすい時期 | 0〜1歳台に多い | 2〜6歳ごろに多い |
| 起こる時間帯 | 夜中〜明け方、寝入りから時間が経ってから | 寝入ってから数時間以内が多い |
| 呼びかけへの反応 | 抱っこやあやしで落ち着くことが多い | 反応が鈍く、あやしても泣き止みにくい |
| 翌朝の記憶 | 覚えていないことが多いが個人差あり | ほとんど覚えていない |
| 持続時間 | 数分〜数十分 | 数分〜10分程度で自然に治まる |
授乳期の赤ちゃんの夜泣きについては、夜泣きで限界のワンオペママへ|今夜から使える対処法5つでも詳しく対処法をまとめているので、月齢によって読み分けてみてください。
夜驚症が起こる主な原因
原因1 脳の発達途中であること
幼児期は睡眠と覚醒を切り替える脳の機能がまだ発達の途中にあり、切り替えがうまくいかずに一部だけ覚醒した状態になりやすいといわれています。
原因2 日中の興奮や疲れすぎ
いつもより興奮した一日を過ごしたり、お昼寝なしで疲れすぎてしまったりすると、深い眠りに入る際の脳の負担が大きくなり、起こりやすくなることがあります。
原因3 睡眠リズムの乱れ
就寝時間がバラバラだったり、寝る直前までテレビや動画で興奮していたりすると、寝つきの脳波が不安定になりやすいとされています。
発作が起きたときの対処法
一番大切なのは、無理に起こそうとしないことです。揺さぶったり大声で呼びかけたりしても本人には届きにくく、かえって興奮を長引かせてしまうことがあります。
発作中に気をつけたいこと
- 無理に起こさず、そばで見守る
- ベッドから転落しないよう体を支える
- 家具の角など、ぶつかってけがをしそうな物を遠ざける
- 声をかけるなら小さく落ち着いた声で「大丈夫だよ」とだけ繰り返す
数分から10分ほどで自然に落ち着き、また深い眠りに戻っていくことがほとんどです。日中は、できるだけ就寝時間を一定にすること、寝る前の30分は静かに絵本を読むなど興奮しない時間にすることを意識すると、起こる頻度が減ることがあります。
ベッドのそばを離れられない夜が続くと、親側の睡眠不足も深刻になります。隣の部屋にいても様子が確認できる見守りカメラがあると、常に布団の横に張り付いていなくても安心して休めるようになります。詳しい選び方はベビーモニター(見守りカメラ)の選び方も参考にしてみてください。
病院を受診したほうがよい目安
月に何度も繰り返す、発作の時間が15分以上続く、日中にもぼーっとする様子がある、小学生以降になっても続いている、といった場合は、自己判断せずに小児科や睡眠外来に相談しましょう。てんかんなど別の原因が隠れていることもあるため、心配なときは早めの受診が安心です。
ほとんどの場合は成長とともに自然に治まっていくものなので、過度に心配しすぎる必要はありません。ただ、続く期間は親の睡眠も削られがちなので、「様子を見ていい段階」と「相談すべき段階」の線引きを知っておくだけでも、気持ちがずいぶん楽になります。
夜驚症は何歳ごろまで続きますか?
個人差はありますが、多くは小学校に上がる前後で自然に落ち着いていきます。脳の発達が進むにつれて睡眠と覚醒の切り替えが安定してくるためと考えられています。
夜驚症のときに病院は何科を受診すればよいですか?
まずはかかりつけの小児科で相談するのが一般的です。頻度が多い場合や他の症状が伴う場合は、小児神経科や睡眠外来を紹介されることもあります。
きょうだいが起きてしまわないか心配です
発作の声は大きく響くことがあるので、きょうだい部屋が近い場合は心配になりますよね。完全に防ぐのは難しいですが、就寝前の興奮を減らすことや就寝時間を整えることで頻度自体を減らせる可能性があります。寝室を分けられる場合は、無理のない範囲で検討してみてもよいでしょう。
まとめ
夜驚症は、夜泣きとは違う仕組みで起こる一時的な現象で、ほとんどの場合は成長とともに自然におさまっていきます。発作中は無理に起こさず、安全を確保しながらそばで見守ること、日中の睡眠リズムを整えることが何よりの対処法です。
それでも夜中に何度も起こされる日々が続くと、親の心も体も削られていきます。一人で抱え込まず、頻度が高いと感じたら小児科に相談する、見守りカメラを取り入れて少しでも休める時間を作るなど、自分を守る工夫も忘れずにいてください。
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