寝る前に絵本を開いて、1ページ目を読み始めた瞬間。小さな手がページをつかんで、最後までぺらぺらとめくられて終わり。追いかけるように読もうとすると本を閉じられて、そのまま立ち上がってリビングへ走っていってしまう。開いたままの絵本を持って布団に取り残されると、「これ、読み聞かせになっているのかな」とため息が出ますよね。
わが家の上の娘も2歳になったころから、まさにこの状態でした。下の子が生まれてからは、夜の授乳で抱えながら片手で絵本を開いても、10秒でめくり切られる毎日でした。読み聞かせがいいと聞くたびに、うまくできていない気がして落ち込んでいました。
この記事でわかること
- 最後まで聞けなくても問題ない理由
- 2歳が座っていられない3つの背景
- 読み切るのをやめる読み方の手順
- 反応が変わる絵本の選び分け
- 発達が心配なときの見方
最後まで聞けなくても、読み聞かせは成立しています
途中でめくられても、1ページで終わっても、読み聞かせとしては十分に成り立っています。子どもにとっての絵本は、物語を最後まで味わうものではなく、まず「もの」であり「遊び道具」だからです。
言葉の育ちの面から見ても、大事なのは1冊読み通すことではありません。絵を見ながら親の声を聞き、指をさして反応が返ってくる。この短いやりとりが積み重なることに意味があります。10ページ読んだ日も、表紙をなでただけの日も、そこは変わりません。
「今日は1ページしか読めなかった」と思っていた日々も、あとから振り返れば、娘は絵本を持ってきては膝に乗っていました。読めた冊数ではなく、絵本が身近にあった時間が残っていたのだと思います。
2歳が絵本を最後まで聞けない3つの理由
聞いていないように見えても、興味がないわけではありません。この時期特有の3つの事情が重なっているだけです。
じっと座っていられる時間がまだ短い
2〜3歳が1つのことに集中できる時間は、おおよそ年齢+1分ほどといわれます。2歳なら3分前後です。文章が多めの絵本は読み切るのに5分以上かかるので、途中で集中が切れてしまうのが自然な反応です。
物語より、絵と音を楽しんでいる
ストーリーの筋を追う力は3歳前後からゆっくり育ちます。それまでは、絵の中の好きなものを見つけたり、「ばーん」「ぴょん」といった音の響きを楽しんだりするのが読み聞かせの中身です。順番どおりに進む必要がない時期だと考えて大丈夫です。
自分でめくりたい気持ちが強い
2歳は「自分でやりたい」がふくらむ時期です。ページをめくる動作は、その気持ちを一番手軽に満たせる遊びになります。読み聞かせを邪魔したいのではなく、自分の手で操作できるのが楽しいだけ、という場合がほとんどです。
めくられたときに「待って、まだ読んでる」と言って手を押さえると、絵本そのものが「止められる時間」として記憶されてしまいます。取り上げるより、めくられたページに合わせて読む方が長続きします。
読み切るのをやめると、読み聞かせが続きます
いちばん効果があったのは、テクニックを増やすことではなく、「1冊読み終える」という目標を手放すことでした。読み方を子どもの動きに合わせると、逃げられる回数がぐっと減ります。
STEP1 文章を読まずに、絵を実況する
書かれた文章は無視して「わんわんいるね」「これ、りんごだ」と、開いたページの絵を短く言葉にします。子どもがめくったら、新しいページを実況し直します。
STEP2 子どもが止まったページだけ丁寧に読む
ぺらぺらめくる中で、手が止まるページが必ず出てきます。そこだけは文章どおりに読んで、少し声を大きくしたり間を空けたりします。
STEP3 立ち上がったら、その日はおしまいにする
追いかけて読み続けると、絵本が嫌なものになります。「じゃあまた読もうね」と閉じて、子どもの見えるところに置いておきます。
読む時間は1〜2分で構いません。むしろ短く切り上げた日の翌日の方が、子どもがまた絵本を持ってくる確率が高いと感じています。1日5分続けるより、30秒を1日3回の方が、この年齢には合っています。
読み聞かせを始めたばかりで基本の進め方から知りたい場合は、赤ちゃんからの読み聞かせの始め方もあわせて読んでみてください。
読み聞かせが続きやすくなる場面づくり
- おもちゃが視界に入らない場所で読む
- 寝る前より、朝や昼寝あけを選ぶ
- 親も一緒に座って、膝に乗せて短く読む
- 読み終えた本はすぐ棚に戻さない
反応が変わる絵本の選び分け
読み方を変えても反応が薄いときは、絵本の側を子どもの様子に合わせてみると変わることがあります。同じ2歳でも、興味の向き方はかなり違います。
| 子どもの様子 | 合いやすい絵本 |
|---|---|
| すぐにめくってしまう | 1ページに1語だけの短い絵本 |
| ページを触りたがる | しかけ絵本・穴あき絵本 |
| すぐ立ち上がる | 10ページ前後の薄い絵本 |
| 同じ本ばかり持ってくる | そのまま同じ本を読む |
| 破ってしまう | 厚紙のボードブック |
文章の少ない絵本は物足りなく感じるかもしれません。それでも、この時期は「めくるたびに何か起きる」構成の方が最後まで見てもらえます。破られるのが気になって出し渋っている絵本があるなら、いったんしまって、扱いが荒くても平気なボードブックを普段用にすると気持ちが軽くなります。
全部そろえる必要はありません。今ある絵本の中から薄いものを2〜3冊選んで、目につく場所に置くだけでも十分です。
下の子がいると、そもそも時間が取れない
きょうだいがいる家庭では、読み聞かせが途切れる原因の多くは、「授乳とタイミングが重なる」という事情です。わが家も下の子が生まれてから、上の娘に本を読もうとすると必ず泣き声が入るようになりました。
私の場合は、下の子を授乳しながら上の娘を横に座らせて、絵本を膝に立てて読む形に落ち着きました。手はふさがっているので、めくるのは上の娘の担当です。結果的に「勝手にめくる」ことが上の娘の役割になり、本人も満足そうにしていました。
きょうだいで遊びの折り合いがつかない場面が増えてきたら、一人遊びが育つ関わり方も参考になります。
よくある質問
毎日読まないと言葉の発達に影響しますか?
毎日でなくても大丈夫です。読み聞かせは積み重ねで効いていくもので、1日抜けたから差がつくものではありません。週に何回という数え方より、子どもが絵本を持ってきたときに応じられる方が続きます。
同じ絵本ばかり持ってきます。飽きさせた方がいいですか?
そのまま何度でも読んで大丈夫です。同じ話を繰り返し聞くと、次の展開が予想できるようになります。この「わかる」感覚が楽しくて何度も求めるので、飽きるまで付き合う方が言葉の定着にもつながります。
絵本にまったく興味を示しません。発達の心配はありますか?
絵本への関心だけで発達を判断することはできません。名前を呼んで振り向く、指さしで気持ちを伝える、大人のまねをするといった様子があれば、まずは様子を見て大丈夫です。目が合いにくい、言葉が出てこないなど気になる点が重なるときは、1歳半健診や3歳児健診のとき、あるいは地域の保健センターで相談してみると安心できます。
いつになったら座って聞けるようになりますか?
多くは3歳前後から、少しずつ最後まで聞ける日が出てきます。ただし体調や機嫌で毎日ぶれるので、聞けた日を基準にしない方が気持ちが楽です。
まとめ
絵本を最後まで聞いてくれないのは、2歳の集中の長さと「自分でやりたい」気持ちが重なった結果です。読み切ることを目標から外して、めくられたページを実況し、止まったページだけ丁寧に読む。この形にすると、短くても毎日続けられます。
絵本を選び直すなら、1ページ1語の短いものと、手を動かせるしかけつきの2種類が使いやすいです。破られる心配があるうちは、厚紙のボードブックを普段用にしておくと、読む側も身構えずにすみます。
今日は1ページで終わっても、それで十分です。閉じた絵本を子どもの手が届く場所に置いておけば、明日また持ってきてくれます。
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