この記事でわかること
- げっぷが出ないまま寝かせてよいかどうか
- 粘る時間の目安と、切り上げていいタイミング
- 出ないときに試したい3つの姿勢
- 寝かせるときに避けたい寝床の作り方
- 吐き戻しで受診したほうがよいサイン
私自身も、下の子のげっぷがなかなか出なくて悩んでいました。
げっぷが出ないまま寝かせても大丈夫です
5分ほど試して出なければ、そのまま寝かせて大丈夫です。げっぷは必ず出さなければいけないものではなく、出ない赤ちゃんもふつうにいます。
大切なのは、げっぷを出すことそのものではありません。吐いたときに、飲んだものが気管に入らない姿勢をつくることです。だから、げっぷが出ないなら寝かせ方でカバーする、と考え方を切り替えてしまうほうが、夜中のしんどさがぐっと減ります。
「出るまで頑張らないと」と思い込まず、5分で切り上げると決めてみてください。夜の授乳が短くなり、そのぶんママの睡眠時間も確保しやすくなります。
なぜ赤ちゃんは空気を飲んでしまうのか
赤ちゃんは、飲むときに必ず空気も一緒に飲み込みます。理由は3つあります。
1つ目は、口と乳首の間にすき間ができやすいこと。哺乳びんの場合も同じです。まだ吸う力が育っていないので、密着しきれずに空気が入ります。
2つ目は、飲むペースが速いこと。おなかがすいて一気に飲むと、そのぶん空気の量も増えます。
3つ目は、胃の形です。赤ちゃんの胃はとっくりのようにまっすぐで、大人のようなカーブがありません。入り口の筋肉もゆるいので、飲んだものが上がってきやすい構造になっています。
吐き戻しがあるだけでは異常ではありません。飲んだ直後に口の端からたらっと出る、機嫌もよく体重も増えている、という状態なら成長とともに落ち着いていきます。生後5〜6か月ごろになると自分で空気を出せるようになり、げっぷをさせなくてよい場面が増えていきます。
出ないときに試したい3つの姿勢
同じ姿勢で叩き続けても出ないときは、体の角度を変えると空気の通り道が変わります。1つの姿勢につき1分ずつ、順に試してみてください。
STEP1 肩に高めに乗せる
赤ちゃんのおなかが自分の肩の骨に軽く当たるくらい、高めに抱き上げます。低い位置だと体が折れ曲がって、空気が上がってきにくくなります。片手で首とお尻を支えたまま、背中を下から上へさすります。
STEP2 ひざの上で座らせる
自分のひざに横向きに座らせ、あごの下に手を添えて上体をまっすぐ起こします。少し前かがみにすると出やすくなります。ただし、あごが胸につくほど深く曲げると気道がふさがれるので、傾けるのは軽くにとどめてください。首がすわる前は、あごを支える手をゆるめないようにしてください。
STEP3 縦抱きのまま数歩歩く
ひざから抱き上げ、縦抱きのまま部屋を数歩歩くと、上下の揺れで空気が上がってくることがあります。叩くより歩くほうが効く子は意外と多いです。
叩き方は、強さより位置です。背中の下のほう、肩甲骨より下を、手のひらを丸くしてぽんぽんと軽く。強く叩く必要はまったくありません。
STEP3まで試して出なければ、そこで終わりにして大丈夫です。全部やらなくてもいいですし、眠い夜はSTEP1だけで切り上げても構いません。
げっぷと吐き戻しは、道具で解決するものではありません。ただ、夜中に慌てて動く回数を減らせるものはあります。
ガーゼは、思っているより多めに用意しておくと安心です。抱っこするときに自分の肩へ1枚かけておくと、吐き戻しても服を着替えずにすみます。夜中に着替えさせるのも、自分が着替えるのも、あの時間帯には重労働ですよね。
使い終わったガーゼは、そのまま布団に置かずに寝床の外へ出してください。顔にかかると口や鼻をふさいでしまうため、赤ちゃんを寝かせたあとの寝床には、ガーゼもタオルもぬいぐるみも置かないのが基本です。使うのは抱っこしている間だけ、と決めておくと安心です。
げっぷが出なかった夜の寝かせ方
寝かせ方は、げっぷ以上に大事なところです。ここだけは守ってほしい、という点をまとめます。
寝かせる前に確認したいこと
- あお向けで寝かせている
- 顔だけ左右どちらかに向けている
- マットレスは平らでかためのものを使っている
- 顔まわりにタオルやぬいぐるみがない
- できる夜は、寝かせる前に10分ほど縦抱きにした
あお向けで顔を横に向けるのは、万一吐いたときに、飲んだものが口の外へ流れるようにするためです。横向き寝でうまくいくという話も聞きますが、赤ちゃんは自分で姿勢を戻せず、そのままうつぶせになってしまうことがあります。寝かせるときはあお向けが基本です。
吐き戻しを防ごうとして、背中の下にタオルを入れて上半身を傾ける方法は避けてください。体がずり落ちて、あごが胸につく姿勢になると気道がふさがれます。同じ理由で、傾斜のついたクッションやベビーラックに寝かせたまま親が離れるのも危険です。傾けるのではなく、寝かせる前に縦抱きで10分ほど過ごしてみてください。胃の中が落ち着いて、それだけでも吐き戻しは減っていきます。
防水シーツは、敷いておくと吐き戻しても汚れが布団まで届きません。夜中にシーツをはがして洗濯機を回す、という作業がなくなるだけで、翌朝の余裕が変わります。
ただし、寝床にタオルを重ねるのとは別物です。シーツの下に敷くタイプを選び、赤ちゃんの顔まわりには何も置かないでください。
授乳のすぐあとに抱っこ紐で体を丸めたり、チャイルドシートに座らせたりするのは避けてください。おなかが圧迫されて吐き戻しの原因になります。出かける予定があるときは、授乳から10分ほど縦抱きの時間をとってから乗せてあげてください。
上の子がいる家庭だと、この10分がいちばん難しいところですよね。上の子に絵本を1冊わたして、赤ちゃんを縦抱きしたまま隣に座り、一緒にページをめくる時間にする方法もあります。上の子もかまってもらえたと感じやすく、上の子を待たせる罪悪感もやわらぎやすいです。
吐き戻しが多いときに見直したい3つのこと
毎回のように吐き戻すなら、飲ませ方を少し変えるだけで減ることがあります。
飲ませるときの角度を見直す。寝かせた姿勢で飲ませると空気が入りやすくなります。上半身を30度ほど起こして、頭が体より高い位置にくるようにしましょう。授乳クッションを使うと腕も楽になります。
途中で1回止める。母乳なら片方を飲み終えたところ、ミルクなら半分ほど飲んだところでいったん口を離し、そこでげっぷを促します。1回で全部飲みきってから出そうとするより、途中のほうが出やすいです。
哺乳びんの乳首のサイズを見直す。ミルクの出が速すぎると、赤ちゃんは飲み込むのに追われて空気も一緒に飲みます。
飲みながら口の端からこぼれる、むせる、という様子があればサイズを1つ下げてみてください。逆に、必死に吸っているのに時間がかかりすぎるなら、サイズが小さすぎるかもしれません。
受診の目安
ほとんどの吐き戻しは心配のないものです。ただ、次のような様子があるときは受診してください。急ぐものから順に並べています。
| 様子 | 対応 |
|---|---|
| 吐いたあと顔色が悪い、息苦しそう、けいれんがある | 夜間でもすぐ救急に連絡 |
| 吐いたものが緑色や茶色 | 夜間でもすぐ受診 |
| 吐いたあと機嫌が悪く、ぐったりしている | その日のうちに受診 |
| おしっこの回数が減っている | その日のうちに受診 |
| 噴水のように勢いよく吐くことが続く | 早めに受診 |
| 体重が増えていない、減っている | 健診を待たずに相談 |
| 飲んだ直後に少し口から出る程度 | 様子見で大丈夫 |
判断に迷ったときは、小児救急電話相談(#8000)に電話すると看護師や医師に相談できます。番号を冷蔵庫に貼っておくと、慌てたときに探さずにすみます。
よくある質問
げっぷは何か月まで必要ですか?
首がすわる生後3〜4か月ごろから減っていき、おすわりができる生後5〜6か月ごろには自分で空気を出せるようになります。ただし個人差が大きいので、吐き戻しが続く子は長めに続けても構いません。
授乳のたびに毎回させないとだめですか?
毎回でなくて大丈夫です。飲んだあとに機嫌がよく、そのまま眠ってしまう子は無理に起こさなくて構いません。起こしてまでげっぷを出すより、眠れる時間を確保するほうが親子にとってメリットが大きいです。
母乳とミルクでげっぷの出やすさは違いますか?
一般に、哺乳びんのほうが空気を飲み込みやすいといわれています。母乳だけの子はげっぷが出にくいこともありますが、それ自体は問題ではありません。
寝たあとに吐いていても気づけるでしょうか?
あお向けで顔を横に向けていれば、吐いたものは口の外へ流れます。心配な場合は、防水シーツを1枚敷いておくと、夜中に寝具をまるごと替える手間も減って気持ちが少し楽になります。別室で寝ている場合は音で気づけるよう、ベビーモニターを置いておくのも1つの方法です。
まとめ
げっぷは、出るまで頑張るものではありません。5分試して出なければ切り上げて、あお向けで顔を横に向け、平らな寝床に寝かせる。傾けない、顔まわりに物を置かない。この形さえ守れば、げっぷが出なかった夜も安心して眠れます。
吐き戻しの多くは、胃の形が育っていく途中で起きる自然なものです。噴水のような吐き方、緑や茶色の吐物、ぐったりした様子がなければ、そのうち落ち着いていきます。
今夜からできるのは、「5分でやめる」と決めておくことだけ。深夜の抱っこが15分から5分になるだけで、次に目が覚めるまでの眠りが変わります。全部完璧にできなくて大丈夫です。
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