この記事でわかること
- うんちだけできない子が多い理由
- やめたほうがいい声かけと言い換え
- 今日から試せる5つのステップ
- 便秘になったときの受診の目安
- いつまでにおむつが外れれば大丈夫なのか
うんちだけできないのは、珍しいことではありません
おしっこはできてうんちだけできない状態は、トイトレのごく普通の通り道です。教え方が足りないわけでも、子どもがわがままなわけでもありません。
おしっこは座って数秒で終わりますが、うんちは力んでから出るまでに1分から3分かかることもあります。同じ「トイレでする」でも、子どもにとっては別物の作業です。
保育の現場でも、うんちだけ最後まで残るのは珍しくないと言われています。おむつが外れる時期には1年以上の幅があり、同じ月齢でも進み方はばらばらです。
おしっこはできるのにうんちだけできない3つの理由
理由が分かると、声のかけ方が自然と変わります。子どもの側から見ると、うんちをトイレでするのはかなりハードルの高い作業です。
1つ目 足が床につかず、力めない
うんちを出すときは、足の裏でしっかり踏ん張る必要があります。大人用の便座に補助便座を乗せただけだと、子どもの足は宙に浮いたままです。踏ん張れないので、出そうで出ない状態が続きます。
おむつなら、しゃがんだ姿勢で自然に腹圧がかかります。子どもがカーテンの陰でしゃがんで力むのも、そのほうが踏ん張りやすいからです。
足が床に届かないときは、補助便座と一緒にトイレ用の足台を置くと、踏ん張れる高さをつくれます。
2つ目 落ちる感覚が怖い
自分の体から出たものが、下の水にぽちゃんと落ちて消えていく。この一連の流れは、3歳前後の子にはかなり怖く感じられます。体の一部がなくなってしまうように感じる子もいるほどです。
流す音が大きいトイレだと、それだけで入りたがらなくなることもあります。
3つ目 時間がかかるので途中で嫌になる
おしっこは座ってすぐ終わります。うんちは待ち時間が長く、その間トイレは狭くて退屈です。1回でも「長くて嫌だった」経験が残ると、次から拒否につながります。
出そうな様子なのに我慢させ続けると、便がかたくなって出すときに痛みが出ます。一度痛い思いをすると、うんち自体を怖がるようになります。トイレを嫌がる日は、おむつに戻してでも「痛くなく出す」ことを優先して大丈夫です。
焦って言ってしまいがちな言葉を、少しだけ言い換える
まず、うんちの話題で子どもを追い詰めないことが先です。トイトレは技術より安心感がものを言う場面が多く、言葉の温度がそのまま進み具合に出ます。
トイトレは、急ぐほど遠回りになりやすいものです。おしっこが成功した勢いでパンツに切り替えると、嫌がってしばらく座ってくれなくなる子もいます。全体の流れはトイレトレーニングの進め方にまとめているので、迷ったときはそちらも見てみてください。
| つい言ってしまう言葉 | 言い換え |
|---|---|
| どうしてトイレでできないの? | 今日はおむつでいいよ。教えてくれてありがとう |
| お姉さんなんだからトイレでしようね | 出そうになったら教えてね。それだけで十分だよ |
| 隠れないで、ちゃんと言って | あっちの部屋で出したいんだね。おむつ持ってくるね |
「教えてくれてありがとう」と返すのは、うんちが出そうだと申告できた時点で、もう半分成功しているからです。申告できる子は、体の感覚をつかめています。
今日から試せる5つのステップ
順番に進めると、怖さが少しずつ減っていきます。1週間で全部やろうとせず、1つできたら次に進むくらいのペースで大丈夫です。
STEP1 おむつのまま、トイレの中で出してもらう
おむつをはいた状態で、トイレの中でいつもの姿勢で出してもらいます。場所だけをトイレに移すのが目的で、便座には座りません。
STEP2 出たうんちを、一緒に便器へ入れる
「うんちのおうちはここなんだね」と話しながら、中身だけを便器に落とします。流すレバーは子どもに押してもらうと、怖さが薄れます。
STEP3 足台を用意して、踏ん張れる形をつくる
便座に座ったとき、ひざが股関節より少し高くなる位置に足台を置きます。この姿勢だと腹圧がかかり、おむつのときと同じように力めます。
STEP4 おむつをはいたまま便座に座ってみる
おむつのお尻の部分に穴を開けて、はいたまま座る方法もあります。おむつを脱ぐ不安と、便座に座る不安を切り分けられます。
STEP5 おむつなしで座る日を、子どもに選んでもらう
「今日やってみる? 明日にする?」と本人に決めてもらいます。自分で決めた日は、驚くほどあっさり成功することがあります。
食後15分から30分は腸が動きやすい時間です。この時間帯に声をかけると、成功しやすくなります。
それでも進まないときに見ておきたいこと
進まない期間が長いときは、便の状態を先に確認します。かたい便が続いていると、どんな工夫も効きません。
排便が3日以上ない、出るときに痛がって泣く、便に血がまじる。このどれかが当てはまるときは、小児科で相談すると解決が早くなります。便をやわらかく保つ薬を短期間使いながらトイトレを進める方法もあり、家庭だけで抱える必要はありません。
いったん休んでいいサイン
- トイレという言葉で泣くようになった
- 下の子が生まれた直後など生活が変わった
- 親のほうが毎日イライラしている
- 2週間試して一度も成功していない
トイトレは、途中でやめてしまってかまいません。1か月あけてから再開したら1週間でおむつが外れた、という話は本当によく聞きます。全部を今の時期にやり切らなくて大丈夫です。
わが家の上の娘は、2歳後半にトイトレを始めようとしましたが、トイレに行くのも嫌がって進みませんでした。まだおむつで、家ではトイレに入っても私がするのを見るだけです。保育園では、おむつを脱いで便座に座ってはいます。
よくある質問
何歳までにおむつが外れていれば大丈夫ですか?
うんちだけ4歳ごろまでおむつという子は、決して少なくありません。園の生活で困っていないなら、様子を見て問題ないと言われています。心配なときは健診や園の先生に聞いてみると、周りの実際の状況が分かって安心できます。
ごほうびシールは使ってもいいですか?
使って大丈夫です。ただし、できなかった日にシールを剥がしたり、指摘したりするのは避けてください。増えるだけの仕組みにしておくと、子どもは楽しく続けられます。
保育園ではできるのに家ではしません
園のトイレは子ども用のサイズで、足が床につく作りになっています。まわりの友だちがしている様子を見られるのも大きいです。家に足台を置くだけで変わることがあるので、まずは高さから見直してみてください。
おむつを完全にやめれば、そのうちできますか?
強制的におむつをなくすと、我慢して便秘になる子がいます。うんちに関しては、怖さが残っているうちは無理に取り上げないほうが結果的に早く進みます。
あると便利なアイテム
道具で解決するテーマではありませんが、足台と補助便座の高さが合えば、座りやすくなることも。すでに持っているもので代用できるなら、それで十分です。
パンツへの切り替えは、子どものペースを見ながらゆっくり進めましょう。
まとめ
うんちだけトイレでできないのは、怖さと姿勢という2つの壁が残っているからです。おしっこができている時点で、いちばん大きな山はもう越えています。
今日できるのは、足台を置いてみることと、隠れて出したときに怒らないことの2つだけで十分です。それだけで、子どもの中の「トイレは怖い場所」という印象がゆっくり薄れていきます。
進まない時期があっても、おむつが外れない子はいません。まわりと比べて焦る日があっても、この子のペースがあるのだと思って大丈夫です。




