- 赤ちゃん返りはいつから始まり、いつまで続くか
- 起きる3つの理由と、言ってしまいがちなNG対応
- 2歳・3歳の上の子が落ち着く接し方5つ
- 様子見でいいか、相談したほうがいいかのチェックリスト
- ママがイライラしてしまう日の落ち着き方
赤ちゃん返りはいつまで続く?
赤ちゃん返りは2〜3歳ごろに多く、続く期間は平均5.3か月という調査があります。ただ、1か月かからずに落ち着く子もいれば、1年以上続く子もいて、差がとても大きいです。
始まる時期も、子どもによってばらばらです。お子さんは、次のどれに近いでしょうか?
- ママの妊娠が分かったころから始まる子
- 下の子が生まれてから始まる子
- 下の子が2〜3歳になってから、急に始まる子
赤ちゃん返りが多い
2〜3歳
続く期間の平均
5.3か月
(参考:公益財団法人1more Baby応援団「ふたりめ意識調査」/ベネッセ教育情報(小児科医 監修)/函館市「きょうだいの赤ちゃん返り」)
赤ちゃん返りは、できていたことが急にできなくなったり、年齢より幼い甘え方をしたりすること。たとえば、こんな様子が見られます。
よくある様子
- 着替えや食事を「やって」と言う
- 抱っこやおんぶをせがむ
- 赤ちゃん言葉になる
- おむつが外れていたのに、また漏らす
- 夜中に何度も起きる
- 後追いが激しくなる
赤ちゃん返りは「わがまま」でも「しつけ不足」でもなく、子どもが大きな変化を受け止めようとしているサイン。ママを信頼しているから甘えられる、とも言えます。
赤ちゃん返りが起きる3つの理由
なぜ赤ちゃん返りは起きるのでしょうか?子どもの気持ちから考えると、理由は大きく3つあります。
1. ママを取られる不安
下の子が生まれると、ママの目はどうしても赤ちゃんに向きがち。上の子はそれにすぐ気づいて、「自分はもういらないのかな」「ママが取られちゃう」と強い不安を感じることがあります。ママを取られるのが不安なのは、何歳でも自然なことです。
2. 環境の変化にとまどう
下の子の誕生のほかに、入園・引っ越し・パパの転勤などもきっかけになります。毎日の流れやまわりの人が変わると、子どもは自分でも気づかないうちに大きなストレスをためていることも。まだ言葉でうまく言えない年齢ほど、赤ちゃんに戻ることで気持ちを伝えようとします。
3. 赤ちゃんがうらやましい
下の子の世話をしているママを見て、「赤ちゃんは何もしなくても抱っこしてもらえる、ご飯を食べさせてもらえる」と感じることも。わざとではなく、「自分も同じように愛されたい」という気持ちから、赤ちゃんの真似をするのです。
急に抱っこばかりせがむときの対応は、上の子が「抱っこ星人」に逆戻りしたときでもまとめています。
やってはいけないNG対応
よかれと思って言った言葉が、子どもをもっと追い詰めてしまうことも。つい言ってしまいがちなNG対応を3つ紹介します。
「お姉ちゃんでしょ」と諭す
「お兄ちゃんでしょ」も同じく、多くのママが一度は言ってしまう言葉です。でも子どもは、「もう甘えちゃいけないんだ」「今のままの自分ではダメなんだ」と受け取ってしまいます。
「赤ちゃんみたい」と否定する
赤ちゃん返りの行動そのものを否定すると、子どもは「ありのままの自分を受け入れてもらえない」と感じてしまいがち。本当は「あなたが大切」と伝えたいのに、反対の意味で受け取られてしまいます。
比較して叱る
「赤ちゃんはまだ小さいんだから我慢して」「下の子はもう寝てるのにあなたは…」。こうして比べる言葉は、子どもに「自分は二番目なんだ」と思わせてしまいます。比べられた上の子は、ますます不安になって甘えが強くなるかもしれません。
2歳・3歳への接し方5つ
ここからは、上の子が落ち着く接し方を5つ紹介します。
1. 「上の子優先」を意識する
下の子が泣いていても、できるときは上の子を先にしてみてください。「ちょっと待っててね、まず◯◯くんのお話聞かせて」と、ほんの数秒でも「あなたが先」と伝えると、上の子は安心します。
下の子はまだ言葉がわからないので、上の子を先にしても気に病まなくて大丈夫。「赤ちゃんが泣いているから、一緒に抱っこしに行こうか?」と、上の子を誘ってから動くのもおすすめです。
(参考:函館市「きょうだいの赤ちゃん返り」)
2. スキンシップを増やす
抱っこ・ぎゅっとハグ・頭をなでる、といったスキンシップは、言葉よりまっすぐ気持ちが伝わります。下の子の授乳中に、隣に座った上の子に絵本を読んだり、背中をなでたり。3人で過ごす時間があると、上の子もママも安心できます。
3. 赤ちゃんの真似を受け入れる
「あーん」と口を開けてご飯を待つ、抱っこをせがむ、おしゃぶりを欲しがる…そんなときは、そのまま受け止めてあげてください。「いいよ、◯◯ちゃんも赤ちゃんね」と笑顔で付き合うと、子どもは「赤ちゃんみたいにしても、ママは怒らない」と安心できます。
4. 言葉で気持ちを代弁する
「弟(妹)のお世話ばっかりで寂しかったよね」「ママ取られちゃったって思った?」と、子どもの気持ちを言葉にしてあげると、子どもは「わかってもらえた」と感じます。小さい子ほど、自分の気持ちをうまく言えません。ママが代わりに言ってあげると、とても安心します。
気持ちを聞き出すのが難しいときは、赤ちゃんが生まれる前後の上の子の気持ちを描いた絵本を、一緒に読むのもおすすめです。読みながら「◯◯ちゃんも、こんな気持ちになる?」と聞くと、上の子も話しやすくなります。
5. 大好きを毎日伝える
「大好きだよ」「◯◯くんがいてくれて嬉しい」を毎日声に出して伝えてください。伝わっているつもりでも、口に出して言うと、子どもにちゃんと届きます。寝る前のひとことだけでも十分です。
ワンオペでもできる工夫
「頭ではわかっていても、ワンオペで二人を見ながら全部はできない…」というママに、すぐ試せる工夫を紹介します。
「2人だけの時間」を毎日5分作る
ママひとりでも作れるすき間に、上の子と1対1の時間を作ります。たとえば、こんなときです。
- 下の子がお昼寝している間
- 下の子がベビーベッドで機嫌よく過ごしている間
- 寝る前の5分
短くてもいいので「あなただけのママ」になる時間があると、上の子の気持ちが満たされます。絵本でも、シールブックでも、お絵描きでも、子どもが選んだ遊びに付き合うのがポイントです。
「お手伝い役」をお願いする
「おむつ取ってくれる?」「ガラガラ振って赤ちゃんあやしてくれる?」など、小さなお手伝いをお願いしてみてください。
お願いされた子どもは、「自分も家族の一員」「ママの役に立てた」と誇らしい気持ちになるもの。終わったら「ありがとう、助かった!」と大げさなくらいお礼を言うと、上の子の自信も育っていきます。
「がんばったね」を目に見える形に
シールブックや「できたねカード」など、がんばったことを目に見える形で残すと、子どものやる気が続きます。上の子が下の子に優しくできた日に、お気に入りのシールを貼って一緒に喜ぶのもおすすめです。
上の子専用のシールブックは、下の子のお世話中にも、ひとりで集中して遊べるのがうれしいところ。「これは◯◯ちゃんだけのものね」と伝えると、上の子は特別な気分になれます。
ひどいときの相談の目安
甘えが強くても、食べて眠れていて、ママと過ごすと機嫌が戻るなら、まずは家で様子を見て大丈夫なことが多いです。次のリストに当てはめてみてください。
様子見でいいサイン(当てはまるものはありますか?)
- 甘えたり「やって」と言ったりするけれど、ごはんは食べて夜は眠れている
- 抱っこや2人だけの時間のあとは、少し機嫌が直る
- 保育園や公園では、いつもどおり遊べている
相談してみたいサイン
- 食べられない・眠れない日が何日も続いている
- 赤ちゃんを叩く・上に乗るなど、危ないことを止めきれない
- ママ自身がつらくて、手が出そうになる・涙が止まらない
(参考:函館市「きょうだいの赤ちゃん返り」/こども家庭庁「親子のための相談LINE」)
相談してみたいサインが続くときは、ひとりで抱えず、地域の保健センターやかかりつけの小児科へ。赤ちゃんを叩く・上に乗るときの止め方は、上の子が赤ちゃんを叩く・乗るのが怖いときにまとめています。
ママがイライラする日は
赤ちゃん返りに付き合うのは、思っている以上に体も心も疲れるもの。下の子のお世話で寝不足が続くなか、上の子にまで「やって」と言われたら、イライラするのは自然なこと。そんな自分を責めなくて大丈夫です。
イライラしたときにできること
- 下の子をベビーベッドなど安全な場所に寝かせてから、上の子と少し距離をとって深呼吸する
- 強く言ってしまったら、落ち着いてから「さっきは大きな声を出してごめんね、大好きだよ」と伝え直す
- 夕飯はお惣菜にする、掃除は明日にするなど、今日やることを減らす
上の子をかわいいと思えなくなってしまったときの気持ちの整理は、下の子が生まれてから上の子をかわいいと思えないときにも書いています。
ママ自身のケアも忘れずに
寝不足や疲れがたまると、イライラもしやすくなります。限界になる前に、横になれるときは横になる、産後の体のケアをするなど、自分をいたわる時間もとってください。
頼れるサポートを知っておく
どうしても1人で抱えきれないときは、まわりの人や地域のサービスを頼ってください。
- 自治体のファミリーサポートに登録しておく、子育て支援センターに行ってみる
- 一時保育に事前登録しておく
- 自治体の産後ケア(日帰りや宿泊で休めるサービス)を使う
- ごはん作りを減らすため、ミールキットやネット注文に頼る
「ママだから1人で頑張らなきゃ」と思わなくていいんです。子育てや親子関係の悩みは、こども家庭庁の親子のための相談LINEでも、名前を出さずに相談できます。
(参考:親子のための相談LINE)
まとめ|心が育っているサイン
赤ちゃん返りは「困った行動」ではなく、子どもの心が大きくなろうとしているしるしです。新しい家族や環境に慣れるために、いったん思いきり甘えているのだと思って、受け止めてあげてください。
基本は、「上の子を先にする」「スキンシップを増やす」「気持ちを言葉にしてあげる」の3つです。できる日にできる分だけ続けていくと、上の子も少しずつ落ち着いていきます。
完璧なママでなくて大丈夫です。「今日もよく頑張ったね」と、まずは自分をいたわってください。
この記事を書いた当時は、私自身も二人目の出産を控えていました。一緒に、できることから少しずつ、子どもと向き合っていきましょう。
この記事で紹介したもの
追記:下の子が生まれてから
(2026年10月追記)この記事を書いたあと、下の子が生まれました。上の子の赤ちゃん返りがどう出たのか、わが家の様子を書き足しておきます。
出かけるたびに「抱っこ!」
下の子と一緒に出かけると、上の子が道の途中で「抱っこ!」とよくせがむようになりました。下の子のベビーカーを押しながら、その場で立ち尽くしたことが何度もあります。
最近は、抱っこをせがまれることはなくなってきました。2人連れの外出で抱っこをせがまれたときの動き方は、上の子が「抱っこ星人」に逆戻りしたときで紹介しています。
授乳中のちょっかいに困っている
授乳していると、上の子がちょっかいを出してきます。飲んでいる下の子を叩いたり噛んだりするので、困っているところです。
叩くときの止め方は、上の子が赤ちゃんを叩く・乗るのが怖いときにくわしく書きました。
お世話を手伝ってくれる場面も
上の子は、プレイマットで下の子と一緒に寝ころんで、おもちゃを揺らしてあげることもあります。親の真似をして、下の子の頭や体をなでてくれます。
参考にした情報
- 公益財団法人1more Baby応援団「ふたりめ意識調査」(赤ちゃん返りの期間)
- ベネッセ教育情報「赤ちゃん返りとは?対応方法や主な行動を医師が解説」(小児科医 山中岳先生監修)
- 函館市 子育てサポート情報誌 No.58「きょうだいの赤ちゃん返り」
- こども家庭庁「親子のための相談LINE」




