- 赤ちゃんのいる部屋の湿度の目安
- 乾燥した部屋で子どもの体に起きていること
- やけどを防ぐための加湿方式の見分け方
- 寝室のどこに置くと結露やカビを防げるか
- 加湿器がない日にできる代わりの方法
赤ちゃんの部屋に加湿器は必要?
暖房を使う季節なら、あったほうが過ごしやすくなります。目安は湿度50〜60%で、この範囲にあれば肌も鼻の粘膜も乾ききらずにすみます。
空気は暖かいほど、たくさんの水分を抱えられるんです。部屋にある水分の量が変わらなくても、エアコンやファンヒーターで暖めると、そのぶん余裕ができて湿度の数字は下がります。
暖房をつけた部屋が30%台まで落ちることも珍しくありません。外の空気が湿っている日でも、部屋を暖めれば同じように乾きます。だから「加湿器がいるかどうか」は住んでいる地域より、暖房をどれくらい使うかで決まります。
乾燥した部屋で子どもの体に起きていること
同じ部屋にいても、乾燥の影響は子どものほうが先に出ます。理由は3つあります。
1つ目は、肌の水分が抜けやすいことです。赤ちゃんの皮膚は厚さが大人の半分ほどしかなく、蓄えられる水分の量も少なめです。
太ももの外側やほっぺたがカサカサになり、かゆくて夜中にかきむしる子もいます。肌の乾燥そのものへの対策は赤ちゃんの保湿ケアの基本にまとめているので、あわせて読んでみてください。
2つ目は、鼻が詰まって眠りが浅くなることです。鼻の中の粘膜が乾くと、鼻水が固まって通り道をふさぎます。赤ちゃんは口呼吸が上手ではないので、詰まるとそのたびに目を覚まします。
鼻が詰まった夜は、細切れに何度も泣いて目を覚ますことも。そんなときは鼻水を吸ってあげると、落ち着いてまた眠りに戻れるかもしれません。
3つ目は、のどの防御力が落ちることです。のどの粘膜は、表面の細かい毛が動いてウイルスを外へ押し出しています。乾くとこの動きが鈍くなり、風邪をもらいやすくなります。
加湿しても咳が止まらない、呼吸のたびに胸がペコペコとへこむ、母乳やミルクが飲めない。こうしたときは乾燥のせいと決めずに、小児科で診てもらってください。機嫌の悪い日が続くときも、早めに相談すると安心です。
加湿方式は「熱くならないもの」から選ぶ
赤ちゃんがいる家なら、気化式かハイブリッド式を選んでおくと安心です。吹き出し口が熱くならず、本体の中に熱いお湯がたまらないからです。
スチーム式は水を沸騰させて蒸気を出すので、加湿の力は方式のなかで一番強くなります。ただ、蒸気の吹き出し口に指を入れてやけどをする事故や、本体が倒れて中のお湯をかぶる事故が実際に報告されています。ハイハイやつかまり立ちが始まると、湯気は子どもにとって格好のおもちゃになるんです。
| 方式 | 吹き出し口 | 電気代 | 赤ちゃんのいる部屋では |
|---|---|---|---|
| 気化式 | 常温の風 | 安い | 向いている |
| ハイブリッド式(温風気化) | ぬるい風 | 中くらい | 向いている |
| 超音波式 | 常温のミスト | 安い | 手入れを毎日できるなら |
| スチーム式 | 熱い蒸気 | 高い | 子どもの手が届かない高さなら |
超音波式は本体が小さくて値段も手ごろですが、水をそのまま細かい霧にして飛ばすしくみです。タンクの中で雑菌が増えると、それごと部屋にまき散らすことになります。
毎日タンクをすすげる人なら候補に入りますが、夜中の授乳で寝不足の時期にそれを続けるのは正直むずかしいです。
選ぶときは、加湿の力よりも次の3点を見てください。
売り場でここだけ見れば大丈夫
- タンクを外して片手で運べる重さか
- タンクの口に手が入り、中をすすげるか
- チャイルドロックが付いているか
タンクの重さは見落としがちです。4Lタンクは満水で約4kgあり、赤ちゃんを抱いたまま片手で運ぶのはまず無理です。私は2Lくらいまでのものを選んで、給水を1日2回に分けています。
寝室のどこに置くか
置き場所で加湿の効き方も、結露の出方も変わります。次の順番で決めていくと迷いません。
置き場所は3ステップで決まる
一度決めてしまえば毎年同じ場所で使えるので、最初だけ時間をかけておくと後がラクです。
STEP1 窓ぎわと壁ぎわを候補から外す
冷たい面に湿った空気が当たると、その面にだけ水滴がつきます。カーテンの裾や壁紙の下のほうが黒ずむのは、たいていこれが原因です。
STEP2 部屋のまん中寄り、床から少し上に置く
湿った空気は下にたまるので、床置きのままだと足元だけが湿ります。低めの棚やサイドテーブルの上に置くと、部屋全体に行き渡ります。
STEP3 子どもの寝床から1m以上離す
吹き出し口が布団に向いていると、寝具が湿ってかえって冷えます。ベビーベッドの柵のすぐ横も、つかまり立ちを始めた子が手を伸ばせる距離なので、置き場所の候補から外してください。
電源コードの通し方にも少しだけ気を配ってください。子どもが引っかけて本体が倒れる事故が毎年報告されています。コードは家具の裏を通すか、壁に沿わせてテープで留めておくと引っぱられません。
アロマオイルを入れられる機種でも、赤ちゃんと同じ部屋では使わないでおきましょう。精油の成分は乳幼児には刺激が強く、体調を崩すことがあります。香りを楽しみたいときは、子どもが寝ている部屋とは別の場所で。
加湿しすぎも子どもには困りもの
湿度は高ければ高いほどよい、というものではありません。60%を超えたあたりから、今度はカビとダニが増えやすくなります。
寝具は汗を吸って、もともと湿りがちです。そこへ加湿が重なると、マットレスの裏側が結露して黒い点が出てきます。カビの胞子もダニのふんも、ぜんそくやアレルギー性鼻炎のきっかけになることが知られています。乾燥を防ごうとして、別の不調を呼び込んでは元も子もありません。
だからこそ、目で数字を確認できるようにしておくと安心です。温湿度計は1,000円台からあり、寝室の壁に貼っておくだけで「今日は加湿しなくていい日」が分かります。
加湿器に湿度表示が付いていても、本体のまわりは湿度が高めに出るものです。加湿器から少し離れた場所に温湿度計をもう1つ置くと、部屋の湿度が正確に分かります。
上の娘のときは、湿度計を置かないまま加湿器を一晩つけっぱなしにしていました。朝起きると窓じゅうがびしょ濡れです。数字が見えていれば防げた失敗でした。
お手入れは週1回タンクをすすぐだけでいい
加湿器でいちばん続かないのが手入れです。説明書どおりにフィルターまで洗おうとすると、ワンオペの夜には手が回りません。
続けるコツは、まず週1回のすすぎだけは必ずやると決めてしまうことです。タンクの水を捨てて、少し水を入れてシャカシャカ振って流すだけなら、1分ほどで終わります。正直なところ、私自身はしっかりした掃除はシーズンの始まりと終わりにしかできていません。
手入れの頻度の目安(できる範囲で)
- 毎日: 残った水を捨てて新しい水に入れ替える
- 週1回: タンクの中をすすぐ
- 月1回: フィルターをクエン酸水につけ置きする
タンクに水を入れっぱなしで何日も使うと、内側がぬるぬるしてきます。あのぬめりは雑菌が増えたサインです。水道水に含まれる塩素は1日ほどで抜けてしまうので、朝の給水のときに前の水を捨てるだけでも中はずいぶんきれいに保てます。
ミネラルウォーターや浄水は、塩素がないぶん雑菌が増えやすいので向きません。水道水をそのまま入れるのがいちばん安全です。
白いカルキ汚れが気になってきたら、クエン酸の出番です。水1Lにクエン酸を大さじ1ほど溶かし、タンクや水受けを1時間ほどつけてからすすぐと落ちます。
加湿器がない日にできること
買うかどうか決めかねているあいだや、旅行先・帰省先でも使える方法があります。
濡らして固くしぼったバスタオルを、寝室のドアや椅子の背に1枚かけておくだけでも湿度は数%上がります。洗濯物の部屋干しも同じ働きをします。どちらも、子どもが寝ている布団の上にはかけないでください。顔にかかると口と鼻をふさいでしまうので、必ずドアや椅子など、布団から離れた場所にかけてください。
鼻が詰まって苦しそうなときは、湯気のこもった浴室に2〜3分いっしょに入ると、鼻づまりがゆるみます。お湯につかる必要はなく、立っているだけで十分です。このとき浴槽のお湯は抜いておいてください。数cmの深さでも子どもは溺れます。
お風呂のドアを開けて寝室まで湿らせる方法が紹介されていることがありますが、子どもが歩き出す時期にはおすすめしません。開いた浴室に一人で入り込めてしまうためです。試すなら、大人が起きている時間だけにしてください。
鼻づまりがひどくて眠れない夜が続くなら、鼻水を吸ってあげるほうが早く楽になります。道具の選び方は鼻吸い器の選び方で詳しく書いています。
よくある質問
加湿器は一晩じゅうつけっぱなしでいい?
湿度をみながらなら大丈夫です。自動運転の機種は設定した湿度で止まってくれるので、つけっぱなしにしやすいです。手動運転しかない機種は、就寝から4〜5時間で切れるタイマーにしておくと、朝の結露が減ります。
何畳用を選べばいい?
寝室で使うなら、部屋の広さより1ランク上を選んでおくと余裕があります。表示の数字は木造和室と洋室で違うため、数字の小さい木造和室のほうで見ておくと安心です。
力が足りずに湿度が上がりきらない、ということが起きにくくなります。余裕があるぶん弱い運転でも足りるので、運転音も静かです。
加湿空気清浄機1台でまかなえる?
同じ部屋で使うぶんにはじゅうぶんです。ただ加湿の力は専用機より控えめなので、乾燥がきつい日は湿度が上がりきらないことがあります。置き場所を1か所にまとめたい家、コンセントを増やしたくない家には向いています。
電気代はどれくらい違う?
1日8時間使ったとき、気化式の電気代は月に数十円から100円台です。スチーム式は千円を超えることもあります。加湿の力と電気代は比例するので、部屋の広さに合ったものを弱めに回すのがいちばん安くつきます。
まとめ
暖房を使う部屋なら、湿度は思っている以上に下がります。目安の50〜60%を保てるだけで、肌のカサつきも夜中の鼻づまりも落ち着いてきます。
選ぶときに見るのは、加湿の力より安全と続けやすさです。吹き出し口が熱くならない気化式かハイブリッド式にして、タンクが片手で運べて口が広いものを選ぶ。
置き場所は窓と壁から離し、寝床から1m以上あける。手入れは週に1回すすぐだけと決めてしまう。この3つが決まれば、冬のあいだ迷うことはなくなります。
温湿度計を1つ置いておけば、加湿しすぎて結露する夜も避けられます。今日は、寝室の湿度が今いくつなのかを見てみるだけで大丈夫です。数字が分かってから考えても、乾燥の本番には十分間に合います。
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