この記事でわかること
- 家だけごはんが遅くなる理由
- 盛りつけと座り方で変わること
- 急かさずに終わりを伝える言い方
- 怒ってしまった日の立て直し方
ごはんが遅いのは、しつけの失敗ではありません
3歳がごはんに1時間かかるのは、よくあることです。育て方の問題でも、性格の問題でもありません。
保育園で30分で食べられるのは、まわりに同じ速さで食べる友だちがいて、片づけの時間が決まっていて、目に入るものが少ないからです。
家にはテレビもおもちゃもきょうだいもいて、集中を切らす材料がそろっています。同じ子が同じ体で食べていても、場所が違えば速さは変わります。
もちろん、遅いままでいいと言いたいわけではありません。夕飯が長引けばお風呂も寝る時間も後ろにずれて、翌朝の機嫌にまで響きます。だからこそ、子どもを変えるのではなく、食卓のほうを変えていきます。
家だけ時間がかかる3つの理由
原因が分かると、どこを変えればいいかが決まります。よくあるのは次の3つです。
1つ目は、おなかがすいていないことです。15時のおやつが多かったり、16時すぎまで食べていたりすると、18時の食卓にはまだ空腹が来ていません。ジュースや牛乳も、それだけでおなかがふくらみます。
2つ目は、集中が続かないことです。3歳が1つのことに向き合える時間は5分から10分ほどと言われています。つまり、最初の10分で食べた量が、その日にすんなり入る量です。そのあとの50分は、食べているのではなく、座らされている時間になっています。テレビがついていれば、なおさら手が止まります。
3つ目は、量が多くて終わりが見えないことです。大人が「これくらい食べてほしい」と思って盛った量は、子どもの目には山に見えます。減らない皿を前にすると、やる気そのものがなくなってしまいます。手が止まったあとに食べ物で遊び始めてしまうのも、多くはここが入り口です。
思い当たるものはありますか?
- おやつが16時以降まで続いている
- 食卓からテレビの画面が見える
- 最初から大人と同じ量を盛っている
- いすに座ると足が床につかない
足が浮いているかどうかは見落としがちですが、大きく効きます。足の裏がどこにもついていないと体が安定せず、かむ力が入りません。大人でも、高いカウンター席に座って足をぶらつかせたままステーキを食べるのは大変です。
今日の夕飯から変えられる3つのこと
順番に全部やらなくて大丈夫です。1つ試して、数日様子を見るくらいのペースで進みます。
STEP1 盛る量を半分にする
いつもの半分の量を、少し小さめの皿に盛ります。足りなければおかわりを出せばいいので、栄養が減る心配はありません。「食べ切れた」で終わる日が続くと、食卓に向かう気持ちそのものが変わっていきます。
STEP2 足の裏がつく高さにする
いすに足置き板があるなら、膝が直角になる高さに合わせます。板がないいすなら、牛乳パックを何本か箱に詰めたものを足元に置くだけでも代わりになります。体が安定すると、かむ力が入って、飲み込むまでがスムーズになります。
STEP3 おやつを15時までに終える
夕飯の3時間前には食べ終わるようにします。15時すぎにお茶以外のものを口にしていない日と、そうでない日で、夕飯の進み方を見比べてみてください。差がはっきり出る子は多いです。
食べやすい大きさに切っておくのも、そのまま時間の短縮になります。前歯でかみ切れない厚さの肉や、つるっと滑るミニトマトは、口の中で持て余すことになり、手が止まる原因になります。
丸くてつるつるしたものは、のどに詰まりやすい形です。ミニトマトやぶどうは4つに切ってから出すと安心して食べられます。急いでいるときも、口の中にものが入っているあいだは声をかけずに待ってみてください。返事をしようとして息を吸い込むと、飲み込む前の食べ物がのどに入ってしまうことがあります。
「早く食べて」と言わずに終わりを伝える方法
急かす言葉は、そのままでは伝わりません。3歳には「早く」がどれくらいの速さなのか分からないからです。伝えるなら、時間ではなく終わりの合図にします。
食卓につく前に「長い針が6のところに来たら、ごちそうさまにしようね」と1回だけ伝えておきます。そのあとは何度も念を押さなくてかまいません。
時間が来たら「6になったね、ごちそうさまにしよう」と声をかけて片づけます。怒った口調にする必要はなく、決まりごととして淡々と進めるほうが、次の日から効いてきます。
最初の何日かは、残したまま下げることに。「おなかがすいたら困る」と思うかもしれませんが、次の食事までに間食を出さなければ、そこでしっかり食べます。1食分の量が前後しても、1日を通して足りていれば大丈夫です。
| 言いがちな言葉 | 言い換え |
|---|---|
| 早く食べて | 長い針が6に来たらごちそうさまだよ |
| まだ食べてないの? | あと3口で終わりにしようか |
| 遊んでないで食べなさい | スプーンをお口に運んでみよう |
数字が読めない子でも、針の位置なら分かりますよね。時計の文字盤に色や目盛りが入っていて、残り時間が面として見えるタイプの知育時計を使うと、「あとこれだけ」が子どもの目でもつかめます。
選ぶときは、秒針の音が静かで、針を指でつまんで回せる作りのものにしましょう。食卓に置いたまま使えます。目覚まし機能つきなら、朝の支度にも役立ちます。
いすを見直すと、食卓が静かになることがあります
足が床につく高さのいすは、食事の速さに直結します。わが家では、私が妊娠してから上の娘を持ち上げるのがお腹の負担になったので、豆椅子と低めのテーブルでごはんを食べさせています。
足置き板のあるいすなら、成長に合わせて高さを見直すことが大切です。足が浮いたままだと、食べている途中で体が横にずれて、そのたびに手が止まりやすくなります。
選ぶときに見るところは3つあります。1つ目は、足置き板が数センチ単位で調整できるかどうかです。3歳から6歳にかけて足の長さは大きく変わるので、段数が多いほど長く使えます。2つ目は、座面の奥行きが合っているかどうかです。
深すぎると背もたれに寄りかかったときに足が届かなくなります。3つ目は、テーブルの高さとの相性です。ひじが自然に乗る高さでないと、スプーンを口まで運ぶだけで疲れてしまうんです。
木製のハイチェアは、大人用のダイニングテーブルに高さを合わせやすく、小学生になっても学習いすとして使えます。座面と足置きの両方が動くタイプなら、下の子に譲るときにも調整し直すだけで済みます。
怒ってしまった日の立て直し方
「昨日も今日もキレてしまった」と落ち込む日があります。夕飯の時間は、下の子がぐずり出す時間とちょうど重なりますよね。私も、生後3か月の下の子が泣き始める前に上の娘のごはんを終わらせたくて、つい早口になってしまう日があります。
強く言ってしまったあとは、寝る前に一言だけ添えれば十分です。「さっきは大きい声を出してごめんね。明日はいっしょにごちそうさままでいこうね」で終わりにします。
長い説明はいりません。3歳が覚えているのは、言葉の中身よりも、最後に穏やかな声で終わったという感触のほうです。
自分の怒りとの付き合い方は、怒鳴ってしまう自分がつらいときの整え方にもまとめています。
よくある質問
時間が来たら本当に下げてしまっていいのですか?
下げて大丈夫です。ただし、下げる前に「あと5分で終わりだよ」と1回伝えて、心の準備の時間を作ります。何も言わずに突然お皿がなくなると、食事そのものが怖い時間になってしまいます。
ごはんを残したあとに、おやつを出してもいいですか?
夕飯を残した日は、次の朝まで食事以外のものを出さないほうが、翌朝しっかり食べます。どうしても足りない様子なら、お菓子ではなく牛乳やヨーグルトのような、食事に近いものにします。
テレビを消したら泣いて食べなくなりました
いきなり全部消すのではなく、まず食卓から画面が見えない向きに座り直すところから始めます。向きを変えても気になるようなら、食事のあいだだけ音を消して映像は流したままにしてみましょう。この段階をはさむと、あとから完全に消しても泣きにくくなります。
食べるのが遅いのは発達に関係ありますか?
遅さだけで判断はできません。かむと口から出してしまう、飲み込むときにむせる、極端に限られたものしか食べない。こうした様子が重なるときは、健診や小児科で相談すると気持ちが軽くなります。
まとめ
3歳のごはんが1時間かかるのは、その子が怠けているからではありません。おなかがすいていない、集中が続かない、量が多すぎる、足が浮いている。どれも大人の側で変えられることです。
盛る量を半分にして、足の裏が床につく高さにして、終わりを時計の針の位置で伝える。この3つだけでも、食事の時間は目に見えて短くなっていきます。全部を今日から始めなくても大丈夫です。今夜は皿を1つ小さくするところからで、じゅうぶん変わります。
食べ終わるのが早くなるより先に、「早く食べて」と言う回数が減っていきます。それだけでも、夕方の空気がずいぶん軽くなりますよ。
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