この記事でわかること
- 手をつなげるようになる時期の目安
- 手をふりほどいて走り出す3つの理由
- 「発達が心配」と感じたときの見方
- 今日から試せる手のつなぎ方と声かけ
- つなげない日に安全を守る方法
私の上の娘も、手をつなぐのを嫌がることがありました。わが家では、下の子も一緒に出かけるときは、下の子をベビーカーに乗せることが多いです。
手をつながないのは、2歳ごろによくあることです
この時期に手をふりほどくのは、体の発達から見てごく自然なことです。多くの子は2歳半から3歳ごろにかけて、つなげる日が少しずつ増えていきます。
玄関を出た瞬間に走り出して、一度も手をつなげない日が続く時期もあります。3歳ごろになると、道路の手前で立ち止まって自分から手を出してくれる日も出てくるんです。もちろん、走っていく日もまだあります。
ただ、待っているあいだも道路や駐車場は危ないままです。とはいえ、いつか手をつなげるようになることと、今日この子をどう守るかは別の話です。今日の安全は今日の工夫で守ります。
手をふりほどいて走り出す3つの理由
子どもが手をふりほどくのは、ママを困らせたいからではありません。理由が分かると、かける言葉も変わってきます。
1つ目は、自分で歩きたい気持ちがいちばん強い時期だからです。歩けるようになって1年ほど。まっすぐ歩く、段差を越える、水たまりをよける。そのすべてが練習中で、しかも本人にとってはおもしろい遊びです。
2つ目は、手をつなぐと行きたい方向に行けないからです。子どもの興味は、アリの行列や側溝のふたに向いています。大人は目的地に向かってまっすぐ進みたい。この方向のずれが、腕の引っぱり合いになります。
3つ目は、車が危ないという感覚がまだ育っていないことです。動くものが自分に向かってくる、という予測は3歳ごろから少しずつできるようになります。「車が来るよ」と言われても、目の前を走る車と自分の身の危険が結びついていません。
言い聞かせが通じにくいのは、しつけが足りないからではなく、危険を予測する力がまだ育っていないからです。「分かるまで説明する」より「分からない前提で環境を整える」ほうが、この時期は確実に子どもを守れます。
「発達が心配かも」と検索してしまう夜に
手をつながないこと1つだけで、発達の心配をする必要はありません。検索すると不安な言葉ばかり出てきますが、この年齢では、じっとしていられないことも、呼んでも振り向かずに走っていくことも、かなり多くの子に見られます。
気になるときは、手つなぎ以外の様子もあわせて見てみてください。目が合って笑い合えるか、指さしで「あれ見て」と教えてくれるか、名前を呼ばれて振り向く場面があるか。こうしたやりとりができているなら、まずは様子を見て大丈夫なことがほとんどです。
そのうえで、次のようなときは早めに相談すると気持ちが軽くなります。
相談を考えたい様子
- 名前を呼んでも反応が返りにくい日が続く
- 2歳を過ぎても意味のある言葉がほとんど出ない
- ママ自身が毎日つらくて外出できない
相談先は、1歳半健診や3歳児健診の場、住んでいる市区町村の子育て支援センター、かかりつけの小児科です。
健診まで日があるなら、支援センターの保育士さんに聞いてみるだけでも様子が整理できます。「様子を見ましょう」と言われたときも、聞いてみたこと自体が次の一歩になります。
今日から試せる手のつなぎ方と声かけ
手をつなげる回数を増やすコツは、家を出てから頑張るのではなく、どうやってつなぐかを玄関で決めてから出ることです。
STEP1 玄関で「どっちの手にする?」と選んでもらう
右手か左手か、子どもに選んでもらいます。自分で決めたことは受け入れやすくなります。指1本だけつなぐ、袖をつかむ。そんな形でも大丈夫です。
STEP2 つなぐ場所を目印で決めておく
「あの電柱まで来たら手をつなごうね」と、道路に出る手前に目印を決めます。毎回同じ場所にすると習慣になり、その手前は、すぐ手が届く距離で見守りながら自由に歩かせられます。
STEP3 つなげた瞬間に声をかける
「つなげたね、ありがとう」と、つないだ直後に伝えます。あとでまとめてほめるより、その場の一言のほうが子どもには届きます。
声かけでは、禁止の言葉を目的の言葉に変えるのがおすすめです。「走らないで」ではなく「あの郵便ポストまで一緒に歩こう」。子どもは否定文を理解するのに時間がかかるので、してほしい行動をそのまま言葉にするほうが伝わります。
手をつなぐ理由を子ども側に置く方法もあります。「ママが1人だとさみしいから、手をつないでくれる?」と頼む形です。守られる側から手伝う側になると、同じ動作でも受け止め方が変わる子もいます。
うまくいかない日もあります。全部やらなくて大丈夫です。今日は手をつなぐ練習をしない、と決めて、次に紹介する方法で安全だけ確保する日があっていいと思います。
どうしてもつなげない日の安全の守り方
つなげない日は、声かけで粘るより、道具と段取りで守るほうが確実です。特に駐車場は、車の運転席からは小さな子どもが見えにくく、いちばん危ない場所です。
| 場面 | 安全を確保する方法 |
|---|---|
| 車から降りるとき | 先にベビーカーを広げてから子どもを降ろす |
| 駐車場を横切るとき | ベビーカーかカートに乗せて通り抜ける |
| 歩道を歩くとき | 車道と反対側に子どもを歩かせ、大人が車道側に立つ |
| 家の前で走り出すとき | ドアを開ける前にベビーカーを広げて外に出しておき、出たらすぐ座らせる |
ベビーカーを持って出かける日は、乗りたがらなくても畳まずに広げたまま押していくと、いざというときすぐ座らせられます。荷物置きとしても使えるので、下の子がいる日はとくに心強い存在です。
上の子と下の子を1人で連れて歩く日の段取りは、ワンオペで子ども2人とお出かけするときにもまとめています。
自分の荷物を持たせると、歩く目的ができる
歩きたい気持ちが強い子には、役割を渡すのが向いています。小さなリュックに自分の水筒とハンカチを入れて、背負ってもらいましょう。「自分の荷物を運んでいる人」になり、ふらふらと寄り道する回数が減ることがあります。
ママの荷物も1つ減ります。ただ、リュックを背負っても飛び出しは防げません。道路や駐車場の手前では手をつなぎ、つなげない日はベビーカーやカートに乗せてください。
選ぶときは、背中の面が体に合うサイズか、胸元で留めるベルトが付いているかを見てください。ベルトがあると走ったときに肩からずり落ちません。2歳ごろなら容量3〜5リットル、重さは水筒を入れて500グラム以内が目安です。
下の子がベビーカーなら、立ち乗りボードという選択肢
下の子をベビーカーに乗せていると、上の子の居場所がなくなります。そんなときに便利なのが、ベビーカーの後ろに取り付けて上の子が立って乗れるボード。手をつなげない日でも、子どもがママのすぐ前でハンドルにつかまっていられるので、駅や駐車場でも慌てずに移動できます。
選ぶときに必ず確認したいのは、手持ちのベビーカーに取り付けられるかどうかです。ベビーカー本体とボードはメーカーごとに取り付け方が違い、組み合わせられないことがあります。
同じメーカーの対応品を選ぶか、汎用タイプなら適合機種の一覧で自分の型番を確認してください。対象年齢と体重の上限も守ります。
乗せているあいだは、子どもがハンドルをつかんで立てているかを見ながらゆっくり進みましょう。段差では一度止まって、前輪から静かに越えると安定します。
よくある質問
何歳になったら手をつなげるようになりますか?
2歳半から3歳ごろに落ち着く子が多いです。ただ、走りたい気持ちの強さには個人差が大きく、3歳を過ぎても興味を引くものがあると飛び出す子もいます。年齢で線を引くより、道路の手前で一度止まれるかどうかを目安にすると安心です。
抱っこして連れていくのはよくないことですか?
危ない場所を通るときの抱っこは、まったく問題ありません。ただ、産後の体で下の子も抱えている状況だと、2人分を腕で支えるのは負担が大きすぎます。長い距離や下の子がいる日は、抱っこよりベビーカーやカートを使うほうが、体を守りながら安全も確保できます。
下の子を連れているとき、上の子はどうやって歩かせればいいですか?
下の子を抱っこ紐で抱えているときは、上の子と手をつなぐ側を必ず決めておくと動きが安定します。上の子には車道と反対側を歩いてもらい、大人は車道側へ。両手がふさがりそうな日は、はじめから上の子をベビーカーに乗せて、下の子を抱っこ紐にする形に切り替えます。
叱るのはよくないと聞きますが、走ったときはどうすれば?
道路に飛び出したときは、その場ですぐ止めて構いません。「車にぶつかると痛いよ、ここで止まろうね」と短く伝えます。長く叱ると理由の部分が伝わらなくなるので、10秒以内に切り上げて、次につなげたときにほめる流れにすると届きやすくなります。
まとめ
手をつながないのは、歩くことが楽しくてたまらない時期に起きる、ごく自然な姿です。しつけが足りないわけでも、愛情が届いていないわけでもありません。
今日できることは、玄関を出る前に「どっちの手?」と聞いてみることと、道路の手前に目印を1つ決めておくことです。つなげない日は、ベビーカーやカートに頼って安全だけ確保すれば十分です。
数か月後、道路の手前で立ち止まって手を差し出してくれる日が、きっと来ます。それまでは、こわい思いをした自分をねぎらいながら、道具の力を借りて乗り切っていきましょう。
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